第二章 電話に出ない

『非通知かよ、誰もこの番号知らないしなぁ』
そのまま電話を無視してハンバーガーを頬張る。
一通り説明書に目を通し、店を後にした。

夕方まで街をぶらぶらした後帰路につく。

リリリリリ!リリリリリ!


液晶に表示されているのは”ユーザ非通知”の文字。
『またかよ、間違いだと気づけよな』
そのまま無視する、少しの間なり続けていたがしばらくすると切れた。
夕日を背にしながら人通りの少ない道を選んで帰る。
この時間帯は買い物や学生の帰る時間にかち合うため人通りを避ける事が多い。
たまに人混みを通る事もあるけど、今日は携帯電話もあるし人通りの少ない道を選んで弄りながら帰る事にしたのである。

携帯電話を弄っていると。

リリリリリ!!


着信を知らせる黒電話の音が鳴った。
『またかよ・・・』
無視をするがなかなか鳴り止まない。
さすがに苛ついたので出る事にした。
『もしもし!!』
不機嫌な声で電話に出る。
『・・・』
液晶には”通話中”の文字が表示されている。
『もしもし』
『・・・』
もう一度話しかけるが反応が無い。
これは悪戯電話か?と思った時だった。
『クックッ・・・』
何やら声を押し殺した感じの笑い声が聞こえてきた。
『誰だ?間違い電話だと思うけど』
少し薄気味悪いと思いつつ電話の相手に伝える。
『・・・』
何も反応が無い。
『誰にかけてるか知らないけど、間違いだから切るよ』
そう伝えて切ろうかとした時。
『み〜つけた〜・・・』
背筋がゾッとする様な声が聞こえてきた。
正確には聞こえてきたというよりも、頭の中に直接響いてきた感じに思えた。
ゴクリと生唾を飲み込む、時間が凍り付いた様な気さえする。
視線を感じ後ろを振り返ると・・・