もう一度扉を開けようとする
『頼むから開いてくれよ!』
少し怒鳴りながら扉を押したり引いたりしてみる。
扉は空しく鍵がされた様にほとんど動かない。
不安になりながら周りをさっと確認して、まだ追いついてない事を確かめ扉を開けようとしたその時・・・
低いうなり声に似たものが聞こえてきた。
僕は振り返ろうとしたその時何者かが飛びかかりそのまま倒れ込む。
激痛が走る。
何が起こってるのか分からない。
体を丸めて頭や顔を守る事しかできなかった。
その間も体中に痛みが走る。
どれぐらい時間が過ぎただろう?
体を起こそうとするが、所々血が出て痛みとも痺れとも分からない感覚が体を襲う。
『何だったんだ・・・』
周りを見回すと、少し離れた場所にカメラバッグだったものが中身をぶちまけて転がっていた。
痛みを堪えながら近づくと、カメラがどうやら盗られたようだ。
他の荷物はそこら辺に無造作に転がってる。
『やっぱり何か撮っちゃまずいものを写したんだ』
思い返してみても撮ってはいけないものを撮った記憶が無い。
『せっかくの休みだったのに最悪な日だ・・・』
命があっただけでも良かったんだろうか?
僕はその場に寝転がり。
『どうやって帰ろうかなぁ・・・
血も出てるし、体も痛いし・・・』