第三章 着信
『お待たせしました、これでこの携帯はいつでも使用できますよ』
笑顔でお姉さんが新しい携帯を手渡してくれた。
『ありがとうございます』
これでガラケーとスマフォと晴れて2台持ちとなった。
念願かなってやっとスマートフォンなるモノを手に入れたのである。
『これでネットはスマフォに任せて、ガラケーは通話オンリーだな』
ニタニタしながら店を出る、周りから見るとかなり危ないやつに見えるかもしれないが嬉しいのだから仕方が無い。
スマートフォンが便利だと友達から言われて持ったんだけど、実際使い方を理解している訳ではない。
『明日にでも分からない事は聞くかね』
やっと手に入れたスマフォに微笑みかける。
そんな時だった。
リリリリリ!リリリリリ!
『ん?』
新規契約したばかりのスマフォに着信を知らせる黒電話の音が鳴った。
液晶には”ユーザ非通知”の文字が表示されている。
『何だろう?さっきのショップのお姉さんかな?
もしかして惚れたか?』
バカな事を考えながら、いや少し本気も混じりながら電話に出てみる事にした。
『もっしも〜し』
スマフォでの電話第一号である。
『・・・』
『あれ?
もっしも〜し、どちらさんですか?』
反応が無かったのでもう一度話しかけてみるが反応が無い。
向こうの出方を待っていると。
『助けてくれ!』