その後どうやって家に帰り着いたのか分からない。
ただぼ〜と天井を見つめながらベッドに横たわってるだけで、今は何も考えたくない気分だ。
どれだけの時間が経ったのだろう、莉杞は天井から窓の外へ視線を移した。
窓から見える景色は何もなかったかの如く静で、月の光がシャワーの様に街全体を照らしている。
『どうしよう?』
一人呟く、今日の出来事が嘘であって欲しい、きっと夢なんだ、そう思いたい。
『沙織はどうしちゃったんだろう、何かに取憑かれてしまったんだろうか?』
莉杞は自問自答を繰り返すが答えなど出てこない、そうしている内にいつの間にか眠りへと落ちてゆく。